シリーズ②|犬を見ると興奮する理由
実は、犬を見る前から興奮は始まっています。
「うちの子、犬を見ると大興奮なんです。」
これは、レッスンでも本当によくいただくご相談です。
でも私は、まず最初にこうお伝えします。
「本当に犬を見て興奮していますか?」
実は、犬は目の前の犬に反応しているだけではありません。
もっと前。
もっと深いところで、すでに興奮は始まっています。
犬は「未来」を覚える動物です。
犬は、毎日の経験をつなぎ合わせて学習します。
例えばパピーの頃。
毎日同じ時間に散歩へ行き、
毎日同じ公園へ向かい、
毎日そこで犬友達と遊ぶ。
そんな生活を繰り返していると…
犬の頭の中では、
「この道を歩く」
⬇
「あの公園へ着く」
⬇
「犬がいる」
⬇
「遊べる!」
という一本のストーリーが出来上がります。
つまり、犬を見たから興奮するのではなく、
“これから楽しいことが始まる”という未来を予測して興奮している。
これが犬の学習です。

実は、飼い主さんが「送迎係」になっていることも。
少し笑ってしまう例えですが…。
子どもを遊園地へ連れて行くとします。
最初はお父さんやお母さんと手をつないで歩いています。
でも何度も通ううちに、
ゲートが見えた瞬間、
「あっ!ジェットコースター!!」
そう言って、一目散に走っていく子ども。
その瞬間、お父さんやお母さんの存在は頭から消えています(笑)。
目的はアトラクション。
親はそこまで連れてきてくれる存在。
犬のお散歩でも、これと同じことが起きています。
毎回、
「犬に会う。」
「遊ぶ。」
「楽しい。」
だけを積み重ねていると、
犬にとって飼い主さんは、
一緒に楽しむ相手ではなく、目的地まで運んでくれる送迎係。
もちろん、犬に悪気はありません。
そう学習しただけなのです。
社会化は大切。でも、それだけでは足りません。
私はパピーのレッスンでは、
「良い犬との経験はたくさん積ませましょう。」
とお伝えしています。
犬との良い経験は、もちろん必要です。
しかし、
犬との経験だけが増え、飼い主さんとの経験が育っていなければ、犬の世界の中心は”犬”になってしまいます。
本当に育てたい社会化とは、
犬に慣れることではありません。
犬がいても、安心して飼い主さんとつながっていられること。
私は、この土台をとても大切にしています。

興奮を止めるより、「お散歩のストーリー」を変える。
だからLIBLIVEでは、
犬を我慢させることから始めません。
まず変えるのは、
毎日のお散歩のストーリーです。
今日は犬と遊ばない日。
今日は犬を見ても、そのまま通り過ぎる日。
今日はママやパパと歩くことが、一番楽しい日。
そんな経験を少しずつ積み重ねることで、
犬の脳は、
「犬を探す散歩」
から、
「飼い主さんと歩く散歩」
へと書き換わっていきます。
LIBLIVEが目指していること。
私が育てたいのは、
犬を見ても何も感じない犬ではありません。
犬を見ても、
一度考え、
「どうしようかな。」
と自分で選択できる犬です。
そして、その選択肢の中に、
「Chizuruと歩こう。」
「ママを見てみよう。」
そんな気持ちが自然に入ってくること。
それが、本当の信頼関係だと考えています。
だから私は今日も、
犬を見る練習ではなく、
飼い主さんを見る価値を、一つひとつ育てています。
トレーナー Chizuru からひとこと
「犬が好きだから興奮する。」
そう思われがちですが、
実は犬は、“犬”ではなく、その先に待っている楽しい未来に興奮していることが少なくありません。
だから私は、興奮を抑えることよりも、
飼い主さんと歩く時間そのものが楽しい。
そう感じられる関係づくりを大切にしています。
ドッグトレーニング LIBLIVE Chizuru
湘南・鎌倉・藤沢を中心に、出張ドッグトレーニング・パピーレッスン・犬の整体を行っています。
犬の行動には、必ず理由があります。
吠え・興奮・引っ張り・問題行動だけを見るのではなく、その背景にある学習や感情を読み解きながら、その子に合ったサポートをお届けしています。