犬の行動には理由がある。
犬が落ち着かない本当の理由。まず最初に見直したいこと
犬が落ち着かない本当の理由。まず最初に見直したいこと

朝、ようやく座ったと思ったら、足元をぐるぐる回る。
インターホンが鳴った瞬間に一気に吠え出して、止まらない。
帰宅しただけなのに、嬉しさのあまり飛びついてきて、こちらも受け止めきれない。
「かわいい」と思う気持ちはあるのに、毎日続くとだんだん疲れてしまう。
叱っても伝わっている気がしない。
静かにしてほしいのに、どうしても落ち着かない。
そんなふうに感じながら、誰にも言えずに悩んでいる飼い主さんは、実はとても多くいらっしゃいます。
ドッグトレーニング LIBLIVE(リバライブ) Chizuruにも、これまでたくさんのご相談が寄せられてきました。
「先生、うちの子、本当に落ち着きがないんです。」
その言葉の裏には、ただ困っているだけではなく、
「このままで大丈夫なのかな」
「私の関わり方が悪いのかな」
「もっと穏やかに暮らしたいのに」
そんな不安や焦り、そして少しの罪悪感が隠れていることも少なくありません。
だから私は、その一言をいたとき、すぐに「トレーニングを始めましょう」とは言いません。
まず最初に、こうお聞きします。
「どんな時に落ち着かないと感じますか?」
犬を見ると興奮してしまうのでしょうか。
帰宅すると嬉しくて飛びついてしまうのでしょうか。
来客があると吠えてしまうのでしょうか。
それとも、お家の中でも常にソワソワしていて、なかなか休めないのでしょうか。
同じ「落ち着かない」という悩みでも、場面が違えば、見えてくる原因も、必要なサポートもまったく変わります。
だから私は、「落ち着かない」という一言だけで判断することはありません。
その子がどんな場面で、何をきっかけに行動しているのか。
そして、その時に飼い主さんがどのように関わっているのか。
そこを一緒に見つけることから始めます。
「落ち着かない犬」ではなく、「落ち着けない理由」を探してみる。
犬は理由もなく興奮することはありません。
その背景には、さまざまな要素が重なっています。
感情
- 嬉しい
- 不安
- 期待
- 緊張
経験
- 経験不足
環境
- 周りの環境
身体
- 身体の使いづらさ
こうした要素が一つ、あるいはいくつも重なって、一つの行動として表れています。
だからこそ、「落ち着きなさい」と伝える前に、その理由を知ることが大切です。
実は、飼い主さんの関わり方が影響していることもあります。
ここで一つ、ぜひ思い出していただきたいことがあります。
犬が飛びつくと、
「ダメ!」
犬が吠えると、
「静かに!」
犬が興奮すると、
「どうしたの?」
私たちは、その行動にはすぐ反応します。
でも、
マットで静かに休んでいる時。
穏やかな表情でこちらを見ている時。
何も要求せず、のんびり過ごしている時。
その瞬間は、「いい子だから」と、そのまま通り過ぎてしまっていませんか?
犬は、私たちが反応した行動をよく覚えています。
つまり、興奮している時間の方が、飼い主さんとのコミュニケーションが多くなってしまうこともあるのです。
もちろん、これは飼い主さんが悪いということではありません。
可愛いからこそ、つい反応してしまう。
それはとても自然なことです。
だからこそ私は、レッスンでこんなお話をします。
「落ち着いている時間を、もっと見つけてあげてください。」
優しく声を掛ける。
穏やかに褒める。
静かに寄り添う。
犬は、そんな何気ない時間からも学んでいます。
LIBLIVEが大切にしていること
LIBLIVEでは、「問題行動」だけを見てトレーニングを行うことはありません。
まずは飼い主さんとのコミュニケーション。
毎日の生活環境。
犬が安心して過ごせる環境設定。
そして、自分の身体を上手に使えるようになる身体認識トレーニングや、その子の状態に合わせた犬の整体。
これらはすべて別々のものではなく、「落ち着いて考えられる犬」を育てるためにつながっています。
「トレーニングをすれば落ち着く。」
そんな単純なものではありません。
毎日の暮らしの中で、どんな経験を積み重ねるのか。
その積み重ねが、犬の行動を少しずつ変えていきます。
最後に

「うちの子、落ち着きがないんです。」
そう感じた時は、ぜひ一度立ち止まって考えてみてください。
その子は、本当に落ち着きがないのでしょうか。
それとも、まだ落ち着き方を学ぶ機会が少なかっただけなのでしょうか。
LIBLIVEでは、犬を変えることを目的にはしていません。
犬が安心して考え、安心して暮らせる環境を整えること。
そして、飼い主さんとのコミュニケーションを育てていくこと。
その積み重ねが、「落ち着ける力」につながると考えています。
今回お話しした「落ち着かない」というお悩みも、実は場面によって原因はさまざまです。
犬を見ると興奮してしまう子。
帰宅時に大興奮してしまう子。
来客時に落ち着けない子。
お散歩で周りが気になってしまう子。
家の中でもソワソワして休めない子。
それぞれに、見るべきポイントも、最初に取り組むことも違います。
これからこのコラムでは、そんな日常のさまざまな場面を取り上げながら、ご家庭でも実践できる考え方やヒントをお伝えしていきます。
一つひとつ理由を知ることで、愛犬との毎日はきっと今よりもっと穏やかで、お互いに心地よいものになっていくはずです。